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2025.03.17シムプレートとシムリングの違いについて

シムプレートとシムリングは、どちらも機械のレベル合わせを行うために欠かせない部品です。このコラムでは、シムプレートとシムリングを、形状・材質・厚み・用途の観点から比較し機械設計の初心者の方でも理解しやすいよう、また適切なシムを選択することで機械の性能を最大限に引き出すことができるよう、分かりやすく解説して参ります。

①形状による違い

シムプレートは、その名の通り、板状のシムです。長方形、正方形、さらには複雑な形状に加工されたものもあります。
一方、シムリングは、リング状、つまりドーナツのような形をしたシムです。こちらも円形だけでなく、一部に切り欠きが入ったC字型やコの字型、あるいはフランジ形状など、様々な形状があります。
イメージして頂きやすいように、下記にて当社が手掛けたシムプレート・シムリングの例をご紹介します。

シムプレートの例

大型シムプレート
シムプレート
食品シムプレート

シムリングの例

シムリング
フランジ
銅製シムリング

②材質と厚み

シムプレートとシムリングの材質には、どちらも以下のようなものが用いられます。

  • 金属:鉄、ステンレス鋼、炭素鋼、真鍮、銅など
  • 非金属:樹脂、セラミックなど

形状によって使用される材質が変わるという事はありませんが、材質の選択は、用途や環境によって異なります。
例えば、耐食性が必要な場合はステンレス鋼、絶縁性が必要な場合は樹脂が選ばれます。

厚みについても、用途によって様々です。薄いものは0.01mmから、厚いものは数mmまであります。
機械のレベル出しを行う際に使われるスペーサーはシムプレートとも呼ばれる事がありますが、これは数mmと厚い傾向があります。

③用途

シムプレートとシムリングの主な用途は以下の通りです。

シムプレートは産業機器の組み立て時に多く採用されます。
例えばモーターやポンプなどの産業機器の組み立て時に、部品間の隙間を調整し、正確な位置決めや固定を行います。このほか金型の調整や、建築・土木などの現場で水平度や高さの調整に使われます。

対してシムリングは、回転機械や円形状の機器のレベル出し・微調整に採用されます。
例えば、 モーターなどの回転軸の芯出しやガタつきを抑えるために使用されたり、 ベアリングの内輪と外輪の隙間を調整し、回転精度や寿命を向上させます。

まとめ

このように、シムプレートとシムリングは、形状や用途によって使い分けられます。
シムプレートは、比較的大きな隙間を調整するのに適しており、産業機器や金型、建築・土木など、幅広い分野で活躍しています。
一方、シムリングは、ベアリングや回転軸など、精密な調整が必要な箇所で使用されることが多いです。
山内スプリング製作所では、機械の性能を最大限に引き出せるよう様々な種類のシムプレート・シムリングをご提供することが可能ですので、まずはお気軽にご相談ください

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