HOME >  > シムプレート(シム板)の加工方法について

2023.03.27シムプレート(シム板)の加工方法について

設備や機器の高さやレベル調整に使用されるシムプレート(シム板)は、数量・大きさ・形状ともに様々なものが存在することに加え、厚みに関しても、何に採用されるかによっても要求される寸法精度が異なります。
従って、一口にシムプレート(シム板)を製造するといっても、要求スペックによって採用される工法は異なります。

今回はシムプレート(シム板)によく採用される加工方法が、それぞれどのような特徴を持っているかをご説明いたします。シムプレート(シム板)のサプライヤー選びの一助となれば幸いです。

それではまず、シムプレート(シム板)の加工方法には、どんなものがあるのでしょうか。
結論から申しますと、レーザー加工・ワイヤーカット放電加工・エッチング加工・プレス加工の4工法になります。
当社のようなシムプレート(シム板)を製造する企業は、お客様の要求スペック(精度・大きさ・板厚・材質・数量・納期・価格・仕上がり品質など)から、最も適切な加工方法を選定しています。
ここからは、ひとつひとつ加工方法をご説明して参ります。

  1. レーザー加工
    レーザー加工の特徴はプログラムのみで加工開始でき治具等が必要ないため、早い、数量1枚から対応できる、大きなワークでも対応できるという点にあります。
    またレーザーの中でもファイバーレーザーであれば、板厚0.05mmからの切断が可能です。

    なおレーザー加工を行うと特性上どうしてもカエリ(バリ)が出ることもありますが、当社の場合はご要求に応じてバリ取りを行ってから出荷しています。

  2. ワイヤーカット放電加工
    ワイヤーカット放電加工のメリットは、高精度に加工ができること、前述のレーザーのようなバリが出ないという点が挙げられます。

    さらに、これはあまり知られていませんが、実は数量が多いシムプレート(シム板)も得意であり、ファイバーレーザーでも加工が困難な板厚0.04mmでも加工ができます。

    さらに条件によっては板厚0.01mmまで対応が可能です。また真鍮・銅など高反射材でレーザーが切れないものも対応ができるなどの特徴を持っています。

    一方、切断面に関しては多少エッジが立ってしまうことがありますが、シムプレート(シム板)の用途であればあまり問題になりません。

  3. エッチング
    エッチングによるシムプレート(シム板)の加工は、数の多い中量生産向けです。イニシャルコストとして版代(5万円~)がかかること、納期が2~3週間掛かることに注意が必要です。

    なお機能面としては、エッチングは素材に対して応力や熱などが加わらないことが最大のメリットです。
    従って、レーザー加工であれば熱で歪んでしまうような微細な加工にも適していたり、取り扱いに注意しないと簡単にシワができてしまう板厚0.01mmや0.005mmのシムプレート(シム板)であっても加工を行うことが可能です。

    また、穴を開けずにハーフエッチングによる刻印も行えます。これはエッチングの唯一の特徴です。
    ただし、切断面の形状は押さえておくと良いでしょう。
    エッチングは材料を溶かして形状を得るため、切断面は特有のサイドエッジ(テーパー形状)になります。
    影響があるか否かは用途によりますが、いずれにせよどのような形状になるかは把握しておきましょう。
    なお板厚によっては外周にジョイントが付く場合もあります。

  4. プレス加工
    高精度なシムプレート(シム板)が大量に必要だ、という場合には、プレス加工が最も適しています。
    イニシャル費用として金型代が必要(30~50万)となり、納期もかかってしまいますが、他の工法に比べるとスケールメリットを最大限に得ることが可能です。

    なお、板厚0.1mm以下となるとプレス加工では対応が難しくなる(シワの発生等)、サイズの大きなシムプレート(シム板)となると金型代・加工費ともに高くなることを押さえておきたいですが、何より、一度金型を製作してしまうと簡単に仕様変更ができないので、注意が必要です。

シムプレート(シム板)の加工方法としては上記でご説明したとおりですが、実際の機器を開発・設計されるエンジニアの方々が上記をすべて理解し適切な加工方法を選定することは非常に困難だと思います。

山内スプリング製作所では、特に薄板のシムプレート(シム板)を長年に渡ってご提供しておりますので、ご要望のスペックをお聞かせ頂ければお客様に最もメリットの出る加工方法をご提案し、提供させて頂くことが可能です。
シムプレート(シム板)でお困りならぜひ当社までご要望をお聞かせください。

バナー:お問い合わせ